ディファイアンス

久しぶりに重い映画を見ました。ダニエル・クレイグ主演のWWII版エクソダス

難しいことはわからないし、歴史のこともわかんないけど、なぜにユダヤ人はあそこまで追われ続けなければならないのかと。

物語の途中で運命を嘆く老人が、「神よ、どうかもう他の民を選んでください」っていうシーンがあるんですよ。もう、選ばれた民なんかじゃなくていいから虐げられない人生を送りたいっていう。

迫害されたユダヤ人がナチから逃れて森の中をさまようストーリーなんですけどね、彼らをまるっきりの「罪のない人々」として描いていなかったところが印象的な映画でした。

親や子、妻や恋人のかたきと称してドイツ兵をリンチにかけて殺してしまったり、生きるためには敵だけでなく同胞をも殺してしまったり。戦争というのは本当に人を狂わせるんだなとしみじみ感じたですよ・・・。森の緑がね、あんまりきれいなんで余計に悲しかったです。

ダニエル・クレイグってロシア顔ですよね。ウチの会社に交通事故でやらかして若干頭おかしくなったオッサンがいるんですけど、その人が、アタシの作ったダニエル@ボンドのタテカンを見て、「ねえ、このロシア人ダレ?」ってゆったんですよ。「いや、ロシア人じゃなくて新しいボンドですよ」と答えたところ、オッサンは「ウソッ!ロシア人がボンドになったの?」と仰天。「いや、だからロシア人じゃないですって。イギリス人ですって」と私。するとオッサン、しばらく黙り込んで一言「こんなロシア人顔のイギリス人がいるんだ?」。

この作品でのダニエルはベラルーシに住むユダヤ人って役だったから、ロシア語もぼっそぼっそしゃべるんです。ロシア人ってゆってもわかんないくらいロシア語が似合ってました。むしろユダヤ人って設定に無理があったんじゃ・・・。

弟役のリーヴ・シュライバーもかなりロシア人顔だったし。アメリカ人だけど。末弟役の子は『リトルダンサー』のあの子だったんですね。驚き。おっきくなっちゃって。

リーヴ・シュライバーの相手役を務めたのがイーベン・ヤイレ。アタシの大好きな映画『High Fidelity』のヒロインでした。出番はあまりなかったけど、結構重要な役回り。ドイツ兵をリンチする場面はすさまじかったです。

なんていうかね、人間ってつくづく動物なんだなって思いました。いろんな意味で。食べ物のこととか男と女のこととか。感動するとかそういう手合いの映画じゃなかったけど人間やればできる、生きようとすれば生きられる、諦めないことが大事ってことがよっくわかる物語でした。それから、自然がいかに人間の精神状態を左右するかってことも。しばらく上映は続きそうなので、ぜひご覧あれ。おすすめです。

ディファイアンス
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