高麗屋!

さっむい日でしたが、友人を誘って歌舞伎座高麗屋を見に行ってきました。

『春興鏡獅子』がね!もう想像していた以上に良くて悶絶。染ちゃんの弥生、むちゃくちゃキレイでした。この世のものとは思われないほどの美しさ。

染ちゃんが歌舞伎座で弥生を演じるのはこれが初めて。「絶対に見る!」と思っていたので、満足というか、本気でいいもの見せていただきまして本当にどうもありがとうございましたという感じです。

染ちゃんってほら、ヒゲが濃ゆいイメージがあるでしょう。いや、イメージじゃなくて実際に濃ゆい。全体的に濃ゆい!なのに、絶世の美女でしたよ!特に、手にした獅子頭が勝手にカタカタカタって鳴り始めて、引っ張られていくときの可憐さときたら…失神寸前。指先のしなやかさといい、顔の傾け方の絶妙さといい、ああ、可憐だ。愛いやつめ。

獅子が揚幕から花道に出てきて一度引っ込むところは見えなかったんですが、3階席だったから仕方ないですな。まあいいとするか。獅子になってからは豪快に床板を鳴らして跳ね回る姿がかっちょいかったのでした。

獅子の狂いも迫力満点でしたが、胡蝶役の子どもたちを相手に立ち回るところ(ささ、危ないからあっちに行っておいで的な動きが一瞬)では、図らずも“2児のお父さんぽさ”が出ておりまして、ちょっとほほえましかったのでした。

ああ、いいもん見たー。これを見たくて夜の部を見に行ったようなものだったので、ほんとに嬉しい。月並みな言い方しかできないけど、本当に良かった。染ちゃんの魅力がまた増えちゃいました。

観劇マナーの悪いオバハン三人組が目の前に座ってて大変!基本姿勢は3人そろって前のめり。まあ、それはよほど目に余ることがなければとりあえず許す。だけどな!鏡獅子のときにしゃべりっぱなしってどうなんだ!あんまり腹が立ったので、怖い顔を作り、肩を叩いて「…すみません」と言ったら黙りました。明らかに染ちゃんファンでしたが、マジ最悪なババどもでした。ファンなら観劇マナーを守ろうよ。

劇場を出ると雪でした。ひえっっ!自宅の最寄駅に着いたら吹雪。道路が真っ白!ひぇぇえ!安い着物着て行ってよかった。つかコーディネートも着物そのものも安っぽすぎた。次回はまともなカッコしていこう…。

24日昼のチケットを安く譲ってもらえたので、昼の部も行ってきまーす。2月の高麗屋は、白鵬が得意としたものをかけているので、時代ものばっかしです。歌舞伎をまじめに勉強したことがないと、厳しい。正直なところ、昨夜の舞台、半分もわかんなかったもん。素直にイヤホンガイド借りればよかったかなあ。

他の演目は『寿曽我対面』と『熊谷陣屋』、あとは地味な口上。『対面』で化粧坂少将を演じた孝太郎がねーこれまた美しくてよかったんですよ。こちらはビジュアル勝負な役どころで、ほとんど動かない役だったんですけど、たたずまいがかっこよかったですよ。とても財前先生にラブだった佃先生と同一人物だとは思えませんでした。それにしても、花魁の衣装っていつ見ても迫力があって良いですねえ。大好き。そうそう、ギャグじゃない三津五郎を久々に見ました。はっしーは声がものすごく荒れてて心配。カゼ?歌舞伎の公演って1回始まっちゃうとノンストップだもんね…。ハードだわ。心配といえば、段四郎さん、セリフがスカーンと抜けてしまってびっくりしました。あんなこともあるんだなぁ…。

口上の中身は、ほとんど先日のNHK『ほっとモーニング』でしゃべってた内容と同じでした。雀右衛門さんがラブリーでした。まだまだお元気でいてほしいですわー。

ま、わからないなりにとっても楽しかったです。アバンギャルドで。さーて、24日も楽しみねー♪

久しぶりの3階席でしたが、高麗屋のごひいきさんが多くて、あちこちから活気のある大向こうが聞こえてきました。でもね。一回、何かの拍子に「ぷりっ」って聞こえたんだよね。なんだったんだ…?ぷりっ。