高村薫キタキタキターッ!!

リヴィエラを撃て(上) (新潮文庫)土曜日、お風呂の修理に来てもらうのが夕方以降になっちゃったので、修理屋さんを待ってる間に本でも読むか…ってことになってブックオフへ。飯田橋におっきいブックオフができたんだよーん。最近文字の本(特に長編)ってあんまり読んでなかったから読みたくなったのさー。読書の秋だし。

お目当ては湯川ガリレオの長編小説版「容疑者Xの献身」(東野圭吾)だったんだけど、なかったのね。そしたら隣の書架に「リヴィエラを撃て!」(高村薫)のハードカバーがあったんだよね。うっかり買っちゃってさぁ…。CIAのスパイとかIRAのテロリストが絡む情報戦物語。難解そうで、今まで手を出さなかった高村薫作品なんだよね。

彼女の作品は読み出したら止められないのがわかってるし、続きが読みたいのに読む時間がないことほど苦痛なことはないから、転職して極端に自分の時間が持てなくなってからは「いつか読む本」リストに入ってたもの。で。やっぱり読み出したら止まらないんだよぅうおおおおおーーっっ!昨日なんか1日中家にいたけど、「こんなにいい天気なのに外に出ないのは不健康」とか思って、わざわざ出かけた先の喫茶店でもガン読みしてしまい、まるで出かけた意味がなかったのでした。ま、そうなるのはわかってたけどね…。

高村作品としてはかなり初期の作品。登場人物がかなり多いうえに、それぞれの人生がたいへん濃ゆいので、主人公は自分の気に入った人物とゆーことに勝手に決めてはいかがでしょうか。登場する若い男子(あえて男子と呼ぶ)たちは揃いも揃ってかわいこちゃん。高村薫ワールド、キターッ!!しかも、顔はかわいくとも女が求める男の姿としてはダメ男ぞろい。またもや高村薫ワールドキタキターッ!でもかわいいから許す。

高村薫の人物描写は、いつも通りアタシの萌えポイントを針の先でチクチク突いてくるなあ。というわけで、アタシの頭の中で「リヴィエラかわいこちゃん番付」を作ってみました(しなくてもいいのに)。

1.キム・バーキン…登場時はうさんくさい上にくっらーいし風貌もいまいちよくつかめないんだけど、読み進めるうちにだんだんありえないくらいのかわいこちゃんと化していく。高村先生のキムの容姿に関する描写がノリノリになっていくのがわかる。いわゆる合田雄一郎化現象。合田と同じく身も心も満身創痍のかわいそうな奴。

2.ジャック・モーガン…半端じゃない不幸と運の悪さを背負った薄幸の美少年。「黄金を…」のモモに通じる何かを感じる。高村先生が一番好きそうなタイプとみた。若いのにあらゆる意味でテクニシャン。

3.てっしー(手島修三)…ハーフにありがちなアイデンティティ・クライシスをど真ん中で突っ走るかわいこちゃん。組織になじめないのにそこから離れられないのは高村作品に登場する人物の王道かもしれない。容姿は「東洋人には見えねぇ」らしい。合田並みにあちこちの男どもからモテモテなので、合田並みに鈍いというか不器用な男であろうと思いきや、ちゃっかり出向先のロンドン大使館勤務時には将来のヨメとできてたり、東京に戻ってからは愛妻家だったり。高村薫作品には意外すぎるほど甲斐性のある出来た男(笑)。

4.ノーマン・シンクレア…そうか、あんたそんなに従兄弟が好きか。ジャックも好きか。そうかそうか。「40過ぎても美しい」らしい。そうかそうか。典雅な美しさって…どんな40歳なんだ。思わず周囲の40男を見回して考え込んでしまったアテクシ。

5・エイドリアン・ダーラム候…ドM。そうか、あんたもそんなに従兄弟が好きか。身を滅ぼすほど超ド級のS女(ヨメ)が好きか。かわいそうな奴め。そういえば元祖英国美青年映画『モーリス』で、ヒュー・グラントが演じた人物も「ダーラム候」なのであった。ブルネットが美しい優雅な奴。ビジュアル的にはアタシの一番好きなタイプかもしれない。

さーて次は「リヴィエラ渋カッコイイおやじ番付」でも作るかな…。もしくは実写版妄想キャスティングとか。え?いらない?いいよ勝手に作るから!!

実はまだあと150ページくらいあるんですけどね。やっと東京まで戻ってきましたよ。ええ。休日なら寝食惜しんであっという間に読むんですけどね。土曜日の朝に読み始めていたら昨日中に読み終わっていたのに!ぐやじい!なぜ土曜日の夜に読み始めたのか!私のおバカちん!本日もお昼休みにガーッと読みましたが、まだまだ終わらないよ。まだまだ読んでいたかったよ。最後まで一気に読みたかったよ。

やっぱり高村薫はいいわぁ…♪いろんな意味で。ドキドキしながら最後まで読みたいです。

あっと、明後日には高村薫小説史上最強のかわいこちゃん&最強の甲斐性なし合田雄一郎@42歳にも会えるわねー♪もちろん『太陽を曳く馬』の話ですがな。いい加減、加納祐介と再会してくれないかちら…。いっそ雄一郎をニューヨークに飛ばして祐介に会わせたい。ま、今の話の進み具合ではそーとー先になりそうですね。平野啓一郎氏の『決壊』も佳境ですぜ。グフフ。どっちも早く一気読みしたい。