ボーイソプラノ

free

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  • アーティスト: リベラ,ベン・クローリー,ラウル・ニューマン,マイケル・ホーンキャッスル,ジョゼフ・プラット,クリストファー・ロブソン,アンソニー・チャドニー
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/02/09
  • メディア: CD
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ヨガの先生から「これすっごくいいのよ〜心が洗われるわよ〜聴いてみて〜」と渡されたCD。イギリスのボーイソプラノグループ「Libera」の『Free』というアルバムでした。

ふだんウィーン少年合唱団とか全く聴かないので、内心「ボーイソプラノ…か…。ふぅ」なんて思っていたのですが、ゴメンナサイ。ワタクシが間違っておりました。脳内からα波が出ました。実にうつくしい。エンヤとかエニグマとか、姫神あたりが好きな人は間違いなく好きなタイプの音楽でしょう。

最初に収録されている"I am the day"は、以前テレビのドキュメンタリー番組で耳にしたことがあった曲でした。半分ポップス、半分宗教音楽といった感じなので、「神を崇めよ!」みたいな押しつけがましさがないのがいいです(でも押しつけがましくないだけで、結局は「神を崇めよ!」なんですけどね…)。

一番気に入った曲は"Be Still My Soul"という曲でした。メロディはシベリウスの『フィンランディア』からアカペラ部分を抜粋したのだそうです。全然知らなかったのですが、この曲は『Finlandia Hymni』といって、本国フィンランドでは第二の国家と言われて国民に親しまれているそうです。Liberaが歌っている曲は英語の歌詞をあてたもので、Finlandia Hymniとは全く違った世界観の歌になってました。(原曲の歌詞はこちら:http://www.kmatsum.info/suomi/essays/finlandia.html)かつてフィンランド軍が「ロシア軍をギャフンとゆわした」という歴史的事実は聞いたことあるのですが、第二の国家に自国の歴史と誇りを歌い継いでいたとは。深いな〜北欧文化。まあ、そんなことはむしろ余談で、この曲は一度でも大切な人を失ったことのある人なら魂をゆさぶられないではいられない曲でしょう。あー、ダメ、涙腺がゆるむ。

で、ニヤリ…とした曲は"I Vow To Thy Country"ですよ。フフフ…。映画『アナザーカントリー』にラブな人は「ピーン」とくるはず。いや、こなくちゃダメ!!この映画のテーマ曲がこの曲であることはもちろん、タイトルもこの曲の歌詞(2番)に由来するのですから。また、主人公の人生はこの曲に歌われている自国愛とそれへの反発に他ならないわけですから!映画の冒頭で、パブリックスクールの美少年&美青年たちがこの曲を広場で歌っているシーンが思い出されます。デラヘイ君(故・ロバート・アディ)やハーコート君(ケアリー・エルウェス)の美しい姿が思い出されますですよ…。そーだ!ベネット君(ルパート・エヴェレット)はこの歌を歌っているときに美しいハーコート君の横顔を見て恋をするのよ♪寮生たちをはさんで見つめ合うふたり。ウットリ…。というわけで、私的には一粒で2度おいしい曲でした。

あ、そうそう。このアルバムには『千の風になって』のLiberaバージョンも収録されています。秋川バージョンは爽やかな印象を受けますが、Liberaバージョンはあまりに美しすぎて逆に悲しさがつのります。

最後に。「Libera」というグループ名はイタリア語で「自由」という意味ですが、私、なぜかこのことを前から知っていたんですよねー。イタリア語なんて全くわかんないのにどうしてだろうと思ったら、私の敬愛する漫画家かわみなみ氏の作品『ファン気いな親父』に「リベラ」っていう架空の警察組織が出てきたことがあったのでした。かわみなみ氏といえば、私に耽美な美少年&美青年系の世界を教えてくれた大恩人。こんなトコでも彼女につながるとはねー。

話が完っ全にそれましたね、スミマセン。LiberaのCDは、今まで私に縁のなかった世界を開いてくれたようです。ボーイソプラノ恐るべし!寝る前に聴くとよく眠れますよー。イライラしているときに聴くとスッキリしますよー。これをきっかけに私が今後ウィーン少年合唱団あたりのボーイソプラノにはまるかというと、おそらく100%ナイと思います。(身も蓋もない)。