The name is Bond...James Bond.

昨日、mikiさんのエントリーを見たら俄然気分が盛り上がってしまって、勢いで劇場に走りました。観てきたよー!新作の007『カジノロワイヤル』!!

どうしても会社を出られなくて、最初の15分見逃してしまった。殺しのライセンスが下りる場面だったのになー。劇場に入ったら、メインタイトルが始まってた。あれ?聞き覚えのある声?と思ったらSound GardenのChris Cornelだったのねー!なんとなんと。彼のSound Garden時代を知ってる人はちょっとびっくりするのでは。

映画、おーもーしーろーかったあーっ!正直、ダニエル・クレイグのビジュアルが好きではないので、彼がジェームスに決まったときは「え〜?」って思ったんだけど、ごめん。すごく良かったです。見どころはid:miki4427jpさんのエントリーをご参照あれ。あと、私の個人的にツボったとこをご紹介しましょう。

■M
まったく、冷戦時代が恋しいってものだわ!
" Christ, I miss the Cold War!"
かっこいいよなあ、M。最高。今回のMには彼氏がいたのもステキ。


■時計
ジェイムスとヴェスパーの出会いの場面。
ヴェスパー:"Rolex?"
ジェイムス:"Omega"

ステキ。ヨーロッパのオトナの会話だわぁ…。


■Money Penny
マネー・ペニーが出てこない!でもジェームスのセリフにそっと登場。でもヴェスパーの美しさをほめる場面なのねん。知ったらマネー・ペニーが怒りそう。
ヴェスパー:"I'm the money. "
ジェイムス:"Every penny of it."


■人妻フェチ
ヴェスパー:"Am I going to have a problem with you, Mr. Bond? "
ジェイムス: "No, don't worry, you're not my type. "
ヴェスパー:"Smart?"
ジェイムス: "Single."

あー、どこの誰でしたっけね、キミは僕のタイプじゃないとかゆってたのは。

■知るか!
ジェイムス:"Voda-martini."
バーテンダー: "Shaken or stirred?"
ジェイムス: "Does it look like I give a damn?"

ジェイムス・ボンドの定番といえば「ヴォッカ・マーティーニをシェイクンで」。なのに、バーテンダーに「どうなさいますか」と聞かれ、どうでもいいとばかりに放った"Does it look like I give a damn?"、つまり「知るか!」。ひえー!ヴォッカ・マーティーニにこだわりがないジェイムス・ボンドを見ようとは夢にも思いませんでした。


■Aston Martin
やっぱりカッコイイ…。ギャラリー・フェイクで「幻のボンドカー!」とフジタが泣きそうになりながら運転していたのが思い出されました。独特のエンジン音も重厚でカッコイイ。


ヘテロクロミア
今更言うことでもないんですけどね。私、銀英伝のファンなんですよ。特にロイエンタールの。黒い右目と青い左目の元帥。今回のボンドの敵、ル・シフェルはアニメ版のロイエンタールがあと10年くらい年くって抜け出てきたようなビジュアルでした。まずはそのまま黒い右目と青い左目。ヅラのような七三の黒髪。ハリガネのような体つき。ちょっと垢抜けない貴族趣味なファッション。計算高いのに失敗しちゃうトコとか。

っていうかさぁ…。そもそもル・シフェル役のMads Mikkelsenって、『King Arthur』で一番のカワイコちゃん、TRISTAN君だったんだよねー…。でさー、ロイエンタールの旗艦の名前がTRISTANなんだよねー…。なんなのこの符牒!?単なる偶然!?脚色のポール・ハギスってオタクだとは思ってたけど、もしかして銀英伝ファンなの!?っていうか誰かこの偶然とは思えない偶然を生み出したのか。


ダニエル・クレイグ
まったくもって予想外に良かった。いつもチュウ寸前みたいでオチョボな口元が苦手だったのですが、映画が終わる頃になるとそれがセクスィーに見えてくるところが恐ろしい。恐るべしジェイムス・ボンド!彼の体当たり演技は迫力満点。歴代のどのボンドより鍛えられた肉体には拍手。(好みではないけど)。id:miki4427jpさんも指摘されていましたが、ちょっと腹が立派(笑)

ラストシーンの彼の演技。それまでのどこにもなかったスパイの顔がそこに。この場面の彼の表情の変わり方というか変え方は特筆モノ。私たちの知っている、ジェイムス・ボンドの誕生の場面だ。そしてThe name is Bond...James Bondにグッときた!鳥肌が立った!

歴代のボンド、私はどのボンドも大好き。ダニエル・クレイグもそのうちのひとりにすんなりおさまった。一番好きなボンドを挙げよ、と言われたら、私はロジャー・ムーアを挙げます。なんかねー、あのチョイ枯れた雰囲気が好きなのよねー。彼はセリフまわしが実に洒脱でステキだった。その次は意外にもティモシー・ダルトン。色男じゃないんだけど、オトナな色気がむんむんでステキなボンドだった。その次がショーン・コネリーピアース・ブロスナンかな。ダニエル・クレイグは次回作あたりで上位に食い込んでくるかもしれません。今回のボンドは他のボンドと違って、まだスパイになりきっていない、スパイとは何たるかをわかっていない、生身な男。失敗もたくさんしちゃうし、やる事なす事荒削りすぎるし、むしろ乱暴。でもとても純情かつ繊細で、ロマンチック。うわべはロマンチックだけど中身はいつでもドライな、今まで親しんできたボンドとは全然違う。そこも魅力的だったかな。

ジェイムス、今回は本気で恋しちゃうもんだから、アバンチュールのお相手から"Oh,James..."って言われることがなくて。けっこうそんなところも新鮮だったことを付記しておきます。このOh,James...も、007シリーズのお約束の楽しみだったんですけどね。『オースティン・パワース』では、このセリフが"Oh, Austin..."に置き換えられ、007に対するオマージュ的セリフになっていますよね。

エンディングロールで流れるジェイムス・ボンドのテーマが最高。やっぱり007はこうでなくちゃ!これ、きっともっと見る場面があるわ。もう一回見に行くぞ!最初の15分にもきっと唸るものがあるに違いない。やっぱり007シリーズ、大好きだなあ♪