懲りずにまた映画を観たよ

そういえば昨日『ルパン』が封切られたんだっけ。というわけで、朝から新宿テアトルタイムズスクエアへ。

うわー、つまんねー!なにこの映画ー!今年一番のガッカリ作品かもしんない。出だしは悪くないんだけど、しつこい回想シーン、不必要なスローモーション、濃ゆすぎる主人公、余計な血しぶきの演出に1時間を過ぎたあたりで胸焼け気味。

主人公ルパンを演じるのはロマン・デュリス。濃い。むちゃくちゃ濃い。ダメだ。ヒゲもじゃー、胸毛わっさー。しかも鼻息荒いし…!無理!私としては、もーちょっとスマートで小奇麗なルパンをイメージしていたのですが。公式ウェブサイトを見たかぎりでは「受け付けられないほど濃ゆい」とは思わなかったので、つい観にいってしまいましたが、「詐欺だ!」と悲鳴をあげたいくらい濃ゆかったです。胸焼け。ヨーロッパの女性は彼のようなタイプをセクシーと思うのでしょうか。だとしたら日本人に生まれて本当に良かったです…。(←酷。)

カリオストロ公爵夫人はクリスティン・スコット・トーマス。ハイソな雰囲気が持ち味の英国人女優。フランス人と結婚してフランスに住んで十ウン年という人なのでフランス語も堪能。なぜかいつも濃い役だなあ。むっかーし見た『ハンドフル・オブ・ダスト』では年下の男と不倫の挙句に出奔、結局捨てられて何もかも失ってしまった女、『イングリッシュ・ペイシェント』ではこちらも不倫の挙句に砂漠で死んじゃう女。『フォー・ウェディング』では、親友に十年来恋して他の男を見ることのできない女。本作品では、化け物寸前の魔女的カリオストロ公爵夫人、ジョセフィーヌ役。やばいだろ、この女は。ルパンも早く気づけよ。いや、気づかないところで「彼女は魔性の女!」っていうのを強調したかったのかもしれないな。

見ただけで妊娠しそうなほど濃ゆいルパンと、魔性の女カリオストロ公爵夫人が同時に画面に現れると、一番濃ゆいどろソースさえ薄く感じられる。物語もいまいちテンポがつかみにくいし、スローモーションや爆破シーンの連続でうっとうしいことこの上ない。不必要にグロテスクなシーンもあるし、十字架の謎解きも何につながっていたのか、いまいちよくわからなかった。しかもクラリスの扱いがあれでは酷すぎないか。

文句言い出したら止まらないくらいの駄作であった。期待しすぎた私が悪かったのかもしれない。昔からフランス映画とは相性が悪いのに。

007のジェームス・ボンドをルパンにすげかえて焼きなおしたような映画だったなー。でも、歴代のジェームス・ボンドのほうが数段セクシーだな。あ、唯一楽しかったのは全編を彩るカルティエの宝飾類!これは本当に素敵。首の短い私には到底着けられないデザインの首飾りがたくさん出てくる。そういえば、ルパンって宝石泥棒のはずなのに、そのあたりの物語的詰めも甘かった。

映画にイマイチのめりこめなかった理由の一つに、となりのオッサンの貧乏ゆすりをあげておこうと思います。2時間以上、15分おきくらいに地震かと思うような貧乏ゆすりをかましてくれてありがとう。そして私が席を確保するのに前を通ったら「チッ!」ってゆった女。隣でガサガサむしゃむしゃありがとう。というわけで、映画を見る以前に、観賞環境の乱れにより私の心がやさぐれていた可能性もあり=感想も辛口かもしれません。

さて、他にこの映画を見た人がどういう感想を抱いたのか興味のあるところです。久しぶりに「金返せ」といいたくなった映画でした。おわり。

【追記】昨日、家でぼーっとしていたら、宮崎駿の『名探偵ホームズ』の映画がケーブルで放送されていたので、つい見てしまった。車といい、船といい、飛行船、ガジェットの類が宮崎ワールド全開。それにしても、ホームズをわんこにしようっていうアイデアはスゴイ。映画版とTV版でホームズ役の声優さんが違うということに昨日初めて気づいた。自分的にはTV版の広川太一郎さんの声が馴染み深い。映画ではモリアーティ教授がモロアッチという名前に、ハドソン夫人がエリソン夫人に、レストレード警部がレストラント警部になっていた。あのマヌケな手下の2匹の声も微妙に違っていた。マスオさんの増岡弘の声じゃない!