吾輩は猫である

世田谷シアター・トラムにて『吾輩は猫である』を観賞。
http://www.siscompany.com/03produce/10neco/

高橋克実演じる夏目漱石と、小林聡美が扮する妻の鏡子の愛情物語。ところどころに『吾輩は猫である』や『草枕』からのシーンが挿入され、現実の漱石と鏡子に重ねられていた。高橋一生は猫に扮し(超カワイイ…!)気が合うのか合わないのかわからないような夫婦を客観的に見、物語る。ところが猫も途中で死んでしまう。虚構入り混じる物語の中で、白い着物に身を包んだ小林聡美は絶世の美女だった。ミニマムなライティングと舞台装置が実に効果的に使われていたけれど、特記すべきは無数に吊るされていた電球。これが蛍の光のように闇の中で光っていたときのきれいだったこと。

小林聡美高橋克実の共演作を見るのは二度目。前回は『おかしな二人』の抱腹絶倒コメディだったんだけど、今回は切ない熟年夫婦の愛情劇だったので、随分感じが違って驚いてしまった。実は舞台『吾輩は猫である』がコメディだと信じて疑わなかったので、コメディ部分が前半で終わってしまったことにかなり驚いた。

苦沙弥先生になっている時の高橋克実のヅラがすごくて大爆笑。ほんっとおかしかった。山崎一はすんごい胡散臭い落語家みたいな感じで軽妙。元ジョビジョバ坂田聡の金魚売り最高。きんぎょほーぉぉえぇ〜きんぎょほっ。綾田俊樹二葉亭四迷も良かった。このエロおやじー!みたいなね。後をひく物悲しさ、哀愁感がすばらしい。女中さん役の梅沢昌代も、マロングラッセのつまみ食いをしちゃったと奥様に告げるシーンとか可愛らしくって。役者さんがそれぞれに素晴らしかった舞台でした。物語は難解だったけど。

それにしても高橋君がかわいかったあー♪昔のパリにいた新聞少年みたいなファッションで出てきたから「誰?」って思ったんだけど、あのしなやかな動きで寝そべったりする姿を見たら「あ、にゃんこか!」ってわかりました。注意して見るとハンチング帽の左右にもさりげなく耳っぽかったのね(笑)中国人留学生の書生さんファッションも超素敵でーウフフ♪書生ファッション大好き人間の私はちょっとヨダーレ出そうになりました。うーんかっこいかった…。

それにしても小林聡美があそこまで美人に見えるとは。しかしすごいカッコで着物なのに舞台を飛び跳ねてました。ほんっと、かわいい人だなぁ。

Tさんご夫妻とずっとご一緒させていただき、舞台観賞後のお話も楽しかったです。やっぱり何かを見たあとって、感想を言い合える人がいると格段に楽しさが違うと思う。ありがとうございました!