大興奮の千秋楽・中村勘三郎襲名披露公演 夜の部

勘三郎。

キャー!!!!!!!大興奮のまま帰ってきました。興奮しすぎて日記書けない(笑)とりあえず会心の一撃だけ。肖像権に抵触するとアレなんで明日には下ろしちゃうかも。

と思ったけど、一見してすぐに勘三郎とはわからないと思うのでそのまま放置することに…おいおいおいおい。

一夜明けてようやく冷静になれました。会社を早退して歌舞伎座へ。Rさんにお声がけいただいて楽日のチケットを入手することができました。なんてありがたい。本当にありがとうございましたm(__)m Rさんと文明堂カフェで待ち合わせてちょっとお茶。そして歌舞伎座の写真なんか撮ってみたりコンビニでお茶を買ったりしながら、まるで葵の紋所を手にしたような気分で入場。ひかえー!ひかえおろー!このチケット様が目に入らぬかー!というわけで。3月から3ヶ月にわたって行なわれた中村勘三郎の襲名披露公演の楽日ということで、歌舞伎座は開演前から異様な熱気に包まれており、席に着くころにはグッタリ。お弁当も残り少ないところを迷っていたら、ついに襲名記念弁当だけしか残っていなくて、高い金を払って購入。ああ…。まあご祝儀と思って…(涙)前の席のオバハンの前髪が立っていてちょっと見づらい…と思いつつ幕があがった。

義経千本桜
実は静御前様の鼓が自分の親なんですー!というキツネの話。再会を果たした後で別れた鼓が音を出さなくなると、鼓になっても子を思う親と親を思う子の絆とはいかほどか、と静御前がキツネを哀れに思い、鼓をキツネに与える場面。やれうれし、と鼓に頬ずりしながらよろこぶキツネ。尾上菊五郎、渾身の演技。とても60を越えた人の演技とは思えぬ身の軽さ。どんでん返しを多用し、見た目の楽しさも良かったけれど、獣の哀れのようなものが全体的ににじみ出ていてじーんとしてしまった。海老蔵はビジュアル的には申し分ないんですが、台詞の言い方がちょっと軽く滑るところが気になる役者で…と思っていたら、この義経千本桜の海老蔵はなかなかどうして良かったんですよ。親兄弟との縁の薄さを嘆く悲哀感が出てて。夜の部1幕目にて既に大満足。

■鷺娘
玉さまキター!!!!!チラチラと舞い落ちる雪の中、奈落から綿帽子を被った鷺娘がスーッとあがってくる。いかにも幸薄そうな鷺色を、傘や白無垢+黒帯にこめて玉さまが舞う舞う。なんか感想を言うのもバカバカしくなるくらい別世界。やっぱり「踊りは坂東流」ということを実感。見どころは着物を一瞬にして変える八変化の場面なんですが、正直そんなのはどうでもいいと思うくらい玉さま美しい舞いを見ているだけで鷺娘の世界にのめりこんでしまいました。勘三郎襲名のために5年間も封印していた演目ということでありがたみも5倍くらい、とにかく玉さまにクギヅケでした。お囃子方の皆様も良かった。坂東玉三郎は名女形だということは今更いうまでもないのだけれども、これはかなりヤバい演目。日舞や歌舞伎に何の興味もないよ!っていう人に見てもらいたい。きっと意識が変わると思う。

■野田版・研辰の討たれ
あー楽しかった!最初から勘三郎が飛ばす飛ばす。初演の時は見てないんだけど、時事ネタがかなり盛り込まれた内容だったらしいですね。今回も獅童の結婚ネタやアンガールズ真夜中の弥次さん喜多さんネタが盛り込まれていました。

勘三郎演じる研辰の愛すべきお茶目さはもちろん、福助扇雀の姉妹による、したたかな姉妹コンビの強烈かつ楽しさは尋常ではなかった。Rさんとも話したんだけれども、これは出演者が演じていてものすごく楽しい作品なんだろうなあ。

私の大好きな浄瑠璃の竹本清太夫が机?を持ってススス、と下りて来たかと思ったら、勘三郎と対峙しながらの大熱演。きゃーきゃー!!私的に大興奮。こんなカタチで太夫勘三郎の共演が観られるなんて、なんて幸せなんだろう。軽くギャグ入っててすごく楽しかった。太夫、今後も血管が切れそうな熱演を心待ちにしております。客席からも清太夫ー!と声が飛んでました。アタシが男なら絶対叫んでた。(決まりごとはないけど、声をかけるのはやっぱり男性に限る!と思う。)

終盤の染五郎勘太郎の演じる仇兄弟に、研辰が追われるシーン。あれ?と思っていたら、席のすぐ後ろを勘三郎がダダーッと走っていった。これって楽日サービス?それとも毎日あった出来事?驚いた(笑)あっという間のできごと。

そして最後、もみじが静かに研辰に舞い落ちて…と思ったら、うわー!鷺娘が!さっき死んだはずの鷺娘が研辰の隣に!これは明らかに楽日のサービスですよね!?会場が大・興・奮。もちろんアタシも大・興・奮。

この作品は、野田舞台を歌舞伎役者が演じているから歌舞伎なのであって、もしそうでなければ普通に舞台作品として成り立つ作品だと思う。ただ、こういう抜け目のないようでやっぱり抜けているお茶目なキャラクター性は勘三郎勘三郎たるところだと思うので、襲名披露公演にこの演目を選んだのは正解だったと思う。なんといっても楽しい!伝統芸能という視点から見ると邪道なのかもしれないけど、こういう作品から歌舞伎にはまる人が増えていってもいいんじゃないかと思う。むしろそういう考え方が勘三郎流なのだと思うし。

幕が下り、歌舞伎座でスタンディング・オーベーション。もちろん私もバネじかけのよーに立ち上がりましたとも!幕が降りては上がり、降りては上がり、若手が勘三郎を胴上げしたりして。落ちそうになって「ギャー!」という声が上がったり。そして野田秀樹が舞台に上がると会場中からさらに大きな拍手が。野田秀樹も胴上げ。鳴り止まない拍手。そしてついに勘三郎が挨拶。やーん、感動的!楽日っていいね!しかも襲名披露公演の楽日。そんな日にお誘いかけてくださったRさんには本気で感謝してもしきれないです。

そーしーて。出待ち(笑)通常の5倍くらいの出待ち人口が出口に群がり、軽い殺気を感じるくらいの恐怖感に襲われる。ここでも異様な熱気。まずは勘三郎の奥様発見。お疲れさまでした。今回の襲名にあたり、大変な時期を乗り越えられてきたことと思います。素晴らしい3ヶ月を支えてくださった勘三郎夫人にも感謝。「これからあいさつ回りに出ますので、サインも写真も本日はご遠慮くださーい!」という係員の声がして、勘三郎登場!ギャー!という歓声。押されつつ、会心の一撃!という写真が右上の写真。いつもはスーツですが、紋付袴でのお出ましでした。かっこいかったよ♪あとは福助扇雀のおちゃめな女形コンビが続いて出てきたりしてー♪

一通りの役者が出てきたところで歌舞伎座を後に。Rさんとお茶しつつ感想を述べ合ったりしてー♪ウフフ。すっごく楽しかったです。

歌舞伎座の新たな伝説の夜となった楽日、あの場所にいられたことを大変幸せに思った一夜だったのでした。<<追記>>
染ちゃんとのチュウはやはりアクシデント?だったらしい。三津五郎のスキップについても他所さまのブログを拝見して思い出したりして。興奮のあまり飛んでしまった記憶が多すぎる…。


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