ヨレっててもなぜかっこいいのか。

ヴァル・キルマーの『ワンダーランド』が1週間の公開ということで朝っぱらから新宿へ。昨夜の興奮からまだ冷め切らないのが良かったのか、すんなり起きられた。

ポルノ・スターだったジョン・ホームズの殺人容疑に関する事実に基づいた作品。ヴァル・キルマーはかっこいいのに、かっこわるい男を演じるのが好きなようで、本作品でもどーしようもない男を演じている。LAのドラッグカルチャーが実に生々しく描かれているため、こういう作品に慣れていない人は多分ものすごい嫌悪感を抱く作品と思われる。

作品自体は単純なストーリーで、ワンダーランド通りの4人の殺人事件について、事件の関係者がそれぞれの視点から事件を語り、刑事が真実をつきとめようとするという物語。

作品のカラーとしては『ブギー・ナイツ』と『パルプ・フィクション』『レザボア・ドッグス』あたりをミックスしたような感じ。ドラッグによるトリップ感を映像化させようとした試みなのか、カット数がやたら多い。こんなに切り刻む必要はなかったんじゃない?と思う。酔いそうになった。というわけで、映像的には多少不満が残った。

ヴァル・キルマーのダメ男っぷりは凄まじく、妻役のリサ・クードローの老け顔も凄まじかった。あいかわらずジャニーン・ガラファロはアンダーグラウンド系映画の端役に満足しているようなのが若干滑稽だったといえば滑稽だった。端役といえば、パリス・ヒルトンがカメオで出演していたのには笑った。デイヴィッド・リンド役のディラン・マクダーモットに関しては「うっそー!?」という変身っぷりと、生き残ったスーザン役のクリスティーナ・アプルゲイトの疲れた風貌に驚愕。毎晩『Married With Children』を見ていたファンとしては、クリスティーナにはもっといい役がついてほしい。

しかし、だ。あれだけダメでヨレているのに、どうしてヴァル・キルマーはかっこいいのか。不思議でたまらない。全体を通してヴァル・キルマー鼻息ばっかり聞こえてくるのだけれど、それでもイヤじゃないところがある意味スゴイ。アタシが彼女なら、ほんっとこんな男捨てる…と思いつつ、あの本気でダメな笑顔を見てしまったら「ああ、捨てられない…」と思うのかもしれないと考えてしまうところもまたある意味スゴイ。

ところで、キャリー・フィッシャーだのナターシャ・グレッグソン・ワグナーだの、かなりの有名どころが「ほんのちょこっと出演」しているという点では、とっても贅沢な作品。あっ、音楽はすごい良かった!サントラ欲しい。asin:B00092QTJU

新宿のK's シネマというミニシアターでの上映でしたが、音響がとてもよかったです。でも、新宿のミニシアターでは新宿武蔵野館がなにげに好きです。K'sシネマはちょっとキレイすぎて萎縮してしまいました…。

Zガンダムの前売り買った。いつ観にいこうかなー。