Ruby Trax
にわかに懐かしいUKロックシーンで全身バーニング中。昨日の日記で言及した『Ruby Trax』。イギリスの音楽誌NMEが1991年に当時のUKロックシーンをにぎわせたミュージシャンを集めて「カバー曲を演奏させたれ」という主旨でできた、カバー・コンピレーションの3枚組。昨夜引っ張り出して聴いて、今朝もCDプレイヤーに突っ込んできました。(いい加減観念してiPod shuffle買え。)『Ruby Trax』は、私が「あー、持ってて良かった!」と思うCDのうちの一つ。以下、長いけどリスト。
- DISC ONE
- THE WONDER STUFF: Coz I Luv You
- BILLY BRAGG: When Will I See You Again?
- THE JESUS AND MARY CHAIN: Little Red Rooster
- THE MISSION: Atomic
- THE FATIMA MANSIONS: (Everything I Do) I Do It For You
- ST ETIENNE: Stranger In Paradise
- THE WEDDING PRESENT: Cumberland Gap
- AZTEC CAMERA / ANDY FAIRWEATHER-LOW: (If Paradise Is) Half As Nice
- DANNII MINOGUE: Show You The Way To Go
- WELFARE HEROINE: Where Do You Go To My Lovely?
- THE BLUE AEROPLANES: Bad Moon Rising
- SENSELESS THINGS: Apache
- TEENAGE FANCLUB: Mr Tambourine Man
- BILLY BRAGG: When Will I See You Again?
- DISC TWO
- CARTER USM: Another Brick In The Wall
- BLUR: Maggie May
- TEARS FOR FEARS: Ashes To Ashes
- THE HOUSE OF LOVE: Rock Your Baby
- THE FRANK AND WALTERS: I'm A Believer
- EMF: Shaddap You Face
- SUEDE: Brass In Pocket
- TORI AMOS: Ring My Bell
- KINGMAKER: Lady Madonna
- MARC ALMOND: Like A Prayer
- THE FARM: Don't You Want Me?
- NED'S ATOMIC DUSTBIN: I've Never Been To Me
- BOY GEORGE: My Sweet Lord
- BLUR: Maggie May
- DISC THREE
- JESUS JONES: Voodoo Chile
- BOB GELDOF: Sunny Afternoon
- JOHHNY MARR & BILLY DUFFY: The Good, The Bad And The Ugly
- CUD: Down Down
- THE FALL: Legend Of Xanadu
- SINEAD O'CONNOR: Secret Love
- WORLD PARTY: World Without Love
- INSPIRAL CARPETS: Tainted Love
- ELEKTRIC MUSIC: Baby Come Back
- RIDE: The Model
- VIC REEVES: Vienna
- TIN MACHINE: Go Now
- CURVE: I Feel Love* 4:24
- MANIC STREET PREACHERS: Suicide Is Painless
- BOB GELDOF: Sunny Afternoon
今となっては「あー、そんなミュージシャンもいたっけね!」という存在から「えー、こんなことしてたんだ?」なんていう人たちもいたり。そういう地味な部分での驚きもそれなりに楽しいコンピレーションアルバムではあるのだけれども、これ、選曲といい、アレンジといい、かなりイイ。他に何かいい言い方はないのかと思うんだけど思い浮かばないんで「イイ」とだけ言わせてもらいます。
私は特に3枚組のうち、2枚目が好きで好きで。オリジナルを超えるアレンジが秀逸なんですわ。
Blurの『Maggie May』は、全体的にやる気のなさが漂っていて、なんともいえない味わい。やる気なさげなのに伸びやかに歌ってるという矛盾も魅力の1曲かと。
Tears for Fearsがね、案外いいんだよね…。あのネチーっとした声で『Ashes to Ashes』を歌うんですけどね、なぜか違和感がなくて。オリジナルの、温度が感じられない乾いたサウンドも捨てがたいんだけど、こちらもかなりイイ。
Marc Almondの『Like a Prayer』はいかにも彼らしく、王子様ちっくに煌びやかな音で作り込まれた迷曲。途中、『Mission Impossible』のテーマ曲が絡んだりしてニクい。
で、The Farmの『Don't You Want Me?』。これ、大傑作!オリジナルのピコピコ感を失くしていないのに、結構ギターの効いたロケンローに仕上がっている。基本はあくまでダンスミュージック、という一線を越えていないところが、くー…!たまらん。
他にも90年代初頭に一世を風靡したInspiral CarpetsとかCarter USM、Manic Street Preachersなどが多数参加。
おっと!!忘れてはイカンのがThe Fatima Mansions!1枚目に入ってる。なんとBryan Adamsの最大の駄作(ファンの人スミマセン。)『(Everything I Do) I Do It For You 』のカバー。どよーん…と澱んだヴォーカルに、今ではラップミュージックには欠かせず、珍しくもない「ピョ〜ロロロ」という効果音?がかぶせてられていて、胡散臭さ充満度500%。それぞれに味のあるアレンジのカバーソングが揃った『Ruby Trax』の中で、最もイカレた名作になっている。まさかこの駄曲がこういう風に生まれ変わろうとは思ってもみなんだ。全体的に気だるいアレンジだけど、不思議と爽やかな余韻が残る。
[余談]↑でBryan Adamsの曲が駄作!と言っているのは、『Reckless』『Into the Fire』がロケンローのアルバムとして大変すばらしかったので、なんでこんな路線の曲を書くようになっちゃったんだ!という怒りの気持ちがあるのです。念のため。
ちなみにJesus Jonesは『Voodoo Chile』をカヴァーしてました。わりと普通でガッカリした覚えが。ただしMikeのヴォーカルがねちこくてやらしいのがナイスです。