カラダをはって趣味に走ってます。

中村勘九郎のサイン。

朝、すげー体調わりかったの。でも、雷蔵祭…まだ終わらんよ!根性で映画館に出かけました。通勤ラッシュに巻き込まれながら、銀座にたどりつき、何とか3本こなしました。

■『蛇姫様』
これ、どうなんだろうと出来不出来を半信半疑で観にいったんですが、すごい良かった。江戸のお家騒動に町人が巻き込まれ、家に踏み込まれる。その現場にいた長男の千太郎、後に十三郎(市川雷蔵)が、なまじ剣の心得があったために城内家老の次男の顔を斬ってしまう。その咎で逃避行する十三郎。十三郎が旅役者の一座と復讐の時期を待つ間、父と、城の姫(嵯峨美智子)に仕える妹(中村玉緒)も殺されてしまう。姫が仇と思い込んだ十三郎、でも実は、姫は家老の悪行を知っていて、嫁ぐ前にお家の恥を成敗しようとしていたことを知る…と。

これ、再び雷蔵様の女装姿が見られるですよ。いわゆる劇中劇がねー、すごい楽しいの♪でもところどころ泣き所があってね、グスグスしながら観てました。最後は十三郎と姫による雄蝶・雌蝶の舞いなんかも見られて目の保養。人間の一途な思いっていうのは通じるのね、っていうそういうお話でした。こんなに泣ける話とは思わんかったです。(ランダム予告編:『忍びの者 霧隠才蔵』)

■『お嬢吉三』
『弁天小僧』に代表される、あでやかで気風のいい江戸っ子は、雷蔵の十八番でもあるわけですが、『お嬢吉三』もそういう系統の一つ。ちょっと毛色の違うのは、女に優しくないところでしょうか。吉三に惚れた女が旅先へも追いかけてくる、と。彼はそれがいやでいやでしょうがなくて(笑)でも旅先で「きむすめでっせー」と話を持ちかけられるや、仲間とくじ引きをして勝っちゃう(笑)「気がのらねー」とかいいつつ、二人っきりになると思いっきり派手に剥こうとしてましたが、そこは殿方のサガってことで、ねえ。でも、その女の好きあってる男っていうのが登場してその夜はおじゃん。聞けばお涙頂戴で、もともと人のいい任侠者のお嬢、お坊、お尚の三人の吉三が恋人たちを助けてあげる、と。

ここでも雷蔵様は頭を結い綿にした町娘に扮装してます。で、そのままアクションに突入(笑)いいねー、こういう「女装でチャンバラ」って雷蔵映画の醍醐味だわぁ。かなり好きです、この手合いの雷蔵モノ。(ランダム予告編:『博徒一代血祭り不動』遺作。)

■『婦系図
泉鏡花、再びキター!というわけで。耽美かつセンチメンタル。雷蔵様扮する主税の書生さん姿もすごいそそるんですが、お蔦(万里昌代)のきれいなこと!当時、芸者を正妻に迎えるということは大変恥とされていたのですね。それが因果で引き離されてしまう主税とお蔦。この別れのシーンが一番の山場なのですが、今どきの役者で、ここまでこういうシーンを長丁場でひっぱれる人はいないと思う。(アップに耐えられるビジュアルではないということ。)それに、一歩まちがえれば「クサい」場面になってしまうのに、そこをギリギリ上品に、悲劇として描いているところもスバラシイ。セットの綺麗なところも見所。芸者=日陰者、もしくは女=男の所有物とされていた時代の女たちと彼女らを囲う男たちの葛藤と因縁が張り巡らされた中で、無理やり引き裂かれた主税とお蔦。それでも本当の恋と純愛を貫き通そうとする主税とお蔦が涙を誘う。ううううう。別れたくないのに別れさせられたら最後、二度と逢わないのが二人の恋の意地。グス…。そこまで意地はらなくてもいいじゃん、と思いつつ、グスグスしながら観ていたワタクシなのでした。(ランダム予告編『若親分』)

さあ!明日はいよいよクライマックスよー!雷蔵祭は24日までですが、私は明日で終わりにします。『新撰組始末記』と『新・平家物語』、計41本上映の中、私は26本を制覇して、いよいよ雷蔵祭も終わり。あー、疲れたんだけどさびしいよ〜!!

ところでかなりカラダにガタ来てます…。うーん、胃がキリキリする…。今夜の飲み、ツレの都合でキャンセルになったのですが、これじゃあどっちみち行けなかったな…。くー、イテテ…。映画観てる間だって、かなりキツかったのに、「勘九郎勘九郎が見られるのはあと3日しかない!もーいっかい観る!」と思い立ち、歌舞伎座へ回ったヴァカはこの私です。しかも歌舞伎座の列に荷物を置いたまま東劇に回り、デジタル歌舞伎映画『野田版・鼠小僧』の前売りまで買いました…。寒空の下、1時間半並びました…。終わってる。本当にアタシ終わってる…!!

本日の歌舞伎は『たぬき』『今昔桃太郎』の2本を観ました。うーん、楽しかった!観終わった後の私は何を思ったのか「出待ちをしよう」と決心、胃が痛い痛い痛いと思いつつ、歌舞伎座の楽屋口へ。10分くらい待ったでしょうか。キター!勘九郎!筋書にサインもらって写真も一緒に撮ってもらいました。写真、一緒は一緒なんですが、勘九郎が逆の方向を向いていらっさる(大爆)そしてその隣にはそんなことに気づかず超ご満悦でニッコニコしている私の姿が(爆沈)勘九郎は小柄で穏やかな感じの人だったのですが、いよいよ楽日が週末に迫っているせいか、ちょっとピリピリムードだったかも。でもサインにも写真にもすごく丁寧に応対していただき感謝でした。そんでね。橋之介、七之助にもサインもらいました…。私の人生に節操なし。

橋之介はテレビとかで見るより全然かっこいかったよー♪今回、桃太郎には橋之介と、息子のムネオちゃんが出演しています。橋之介の運転する車に、ムネオちゃんが乗って「おつかれさまでしたー!」って元気よく楽屋口に群がっているファン(ワタクシを含む)に手を振りながら挨拶する姿に「役者の子は役者なんだなあ」と思いました。

明日はほぼ一ヶ月ぶりに朝8時まで寝られる予定です。こ、こんなことが嬉しいなんて…。たまっているメールのお返事も明日しますー!!

■本日のお写真
嬉しいから見せびらかします。正真正銘、中村勘九郎のサインだー♪で、勘九郎がぽぽんと逆の方向を向いている写真(笑)アカの他人に「シャッター押してください」ってお願いした都合上、もーいっかい!って言えなくて〜!残念。でもいい。勘三郎になったらもう一度アタック!!ちなみにお隣に写ってる女性はワタクシではございません。