一番乗り!

明日のランチ用。

昨夜、あまりにすごい暴風雨で目が覚めたくらいすごかったんですが、7時ごろには晴れてくれて助かった。8時ごろ家を出て銀座へ。映画館の列、一番乗りだったYO。なんだかこのごろ「この人、前も来てたな」という顔が増えてきた。列に並んでいると、ヒマなので話しかけてくる人もいたりする。ヨン様ファンの方々のように、とっても熱烈なファンが多いようで、あまりにアツく語られると、ちょっと「ハ、ハァ…」みたいな受け答えしかできないのが苦しい。ここでこれだけアツく語っているアタシが「怖い、この人…!」って思うんだから、会場に集まっている皆さんがどれくらい熱烈な雷蔵ファンか、容易に想像していただけるかと。

■『安珍清姫
歌舞伎でも能でも有名な『娘道成寺』をベースにした悲恋劇。キツネ退治の最中、誤って僧侶を射てしまった清姫。本当は清姫に一目ぼれしちゃったのに、「僧籍にある身がにょにんなど!」と清姫のアプローチをかわしつづける安珍。煩悩を断ち切ろうとしても断ち切れず、追いかけてきた清姫の純情を奪ってしまう安珍!!煩悩だらけの身が恨めしく、さんざん悩むものの、「それも仏の道」と諭され、清姫を受け容れることを決意。安珍が寺へ入ってしまったことを見た清姫は川に身を投げ、大蛇になって寺の階段を上がる。安珍は同門の僧侶たちの手で、寺の鐘の中に隠されてしまうのだけれど、大蛇と化した清姫は鐘をぐるぐる巻きにして火を吐く…。と。夢だったりして。だけど、清姫が川に身投げしたところまでは本当で、安珍は彼女の亡骸を抱いて一生を清姫の供養に捧げることを誓う、と。いかにも歌舞伎って感じの筋書きでナイス。

その昔、『ファンシィダンス』を描いた岡野玲子が、仏門にある主人公ヨーヘー君に対し、彼の友人に「ねえ、最近ヨーヘー君、ぬめりが出てきたんじゃない?坊主特有のぬめりが」と言わせたことがある。この「ぬめり」っていう表現が実にうまい!と思っていたんだけど、『安珍清姫』の雷蔵様もそーとーぬめってます!!イイ。煩悩に身を焼いて悶絶している姿がたまらんです。そして若尾文子がやっぱりきれい。(ランダム予告編:『斬る』)

■『歌行燈』
泉鏡花キター!!能の若師匠(雷蔵)が、父親の悪口を言ったという人物を訪ね、唄合戦をする。で、若師匠が勝っちゃう。周囲に乗せられて唄の師匠になった人物は、若造に負けたことを恥と思い、井戸に身投げをして死んでしまう。その事を知った若師匠の父親は、息子を破門、勘当。若師匠はその足で身投げをしてしまった人物の家を訪ね、娘のお袖(山本富士子)に謝罪する。若師匠は流しの三味線弾きに、身投げした男の娘は借金のカタに芸妓にされてしまう。でもこの二人、出合った瞬間に恋に落ちてしまっていて…という筋書き。

ベタなんだけど、すごく良かった。何度か、ああ、もうこの二人ダメなんじゃないかと思ったり、早く走って!とか、死んじゃダメー!とか思ったりするんですが、ハッピーエンドが嬉しい。ずっと悲恋モノばかり選んで見ていたから、和んだ。泉鏡花の原作ならではの耽美を堪能。耽美も耽美、ひたすら耽美。雷蔵様の舞いが見られたのもすごく良かった。黒の紋付に縞の袴っていうシンプルないでたちで舞うだけなのに、筆舌に尽くしがたい艶が。このシーンを見るだけでも価値のある映画です。

本日観た雷蔵様は2本ともヘタレ全開で素敵です。もー大好き。こういうの。情けない姿さえ画になってて。素敵すぎる。(ランダム予告編:『剣鬼』)

帰りの電車の中で、隣に座ってきた女の子が『丹下左膳』のパンフレットをバッグから取り出して夢中で読みだした(笑)中村獅童の舞台を観てきたんだね、きっと。あの読みふけり方というか、勢いは凄まじかったです。その隣で木原敏江の『鵺』を読んでいた私…。どっちもどっちだな。

■本日のお写真。
明日のランチ用に、さっき焼いたパン。ピントが合ってないYO!本当は明日のランチとかじゃなく、今食べれば美味しいんだろうケド。

■本日の『新撰組!
三谷幸喜は最終回に近づけば近づくほどお遊びに走っている模様(特に山本耕史オダギリジョーのいじり方は半端ではないと思う・笑)視聴者がどう思うかというよりは、まずは彼自身が楽しみたいと思っているような作り??三谷ファンとしては、こういった作品の作りにむしろニヤリ…とするんですが、一般的に受け容れられるかどうかはまた別の問題なんだろうなあ。さてさて。

  • ああ、ハジメたん、その話すると恥ずかしいんだ!?っていうか観ていたこっちも恥ずかしかったから大丈夫!(←意味不明。)そんなに怒ることないじゃーん(笑)
  • 「いつ死ぬんだ?」うわー!ハジメったら単刀直入〜〜〜!見舞いに来ておいて、いきなりそのセリフなんだー。彼らしいというかなんというか。穏やかな総司との関係がぐぐっ、とキました。ハジメは、近藤さんも土方もわからない総司の心の中を知ってるんだね、きっと。
  • かっちゃんとトシ、黒船を見に行った時に拾ったシャンパンのコルク、まだ持ってたんだ。そういえばそんなことガイドブックに書いてあったような気が。そして流山。いよいよ今生のお別れなんだなあという雰囲気がひしひしと迫る切ない場面でしたね。っていうか、そこでハグ!???ハグしちゃうの???うわー!なんかヘンなもん見た…ような…気が…。
  • わー!捨助捨助捨助ー!!バカー!!と思っていたら本当に助太刀だった(笑)「ねえ、ハラハラした?ハラハラしたあ?」って、したよ、した…。マジ心臓に悪いよアンタ!
  • で、古田新太がすごく良かったぁ〜♪登場したとき、目つきが悪かったから(笑)悪役なのかと思ったら話せるじゃん。この辺りの、肝の据わった(根性の据わった)男気のある役柄って、古田新太にはぴったり。古田新太の起用も、『HR』がご縁になったんですね。きっと。あのドラマでのジョー役大好きだったー。

    いよいよ来週最終回。流山での斬首で終わるんだー…。しんみり。でもチラ、と五稜郭の場面があったようななかったような。みんな、みんな来週でお別れなんだー。アタシ、きっと来週の日曜日が終わったら抜け殻になっちゃう。

    そういえば、今回の雷蔵祭の最終ローテーションの中に、山崎蒸を主人公にした『新撰組始末記』が入ってます。いろんなサイトをROMってると山崎ファンがけっこう多いみたいなので、ちょろっとお知らせ。吉弥さんと雷蔵では、かなりビジュアルが違うのですが、それもまた一興かと。