Never Mind

あのね…。実はニルヴァーナが好きなんですよ…。ぼそ…。

Smells Like Teen Spiritが大ヒットしたのは大学に入学して一息ついていた頃。典型的な制汗剤、Teen Spiritのニオイみたい、っていうタイトルと体育館で二コリともしないチアリーダーに合わせて掃除夫のじいさんがヘッドバンギングをするビデオが強烈で、なんだかわからないうちにファンになってたですね。Never Mindは今更説明するまでもなく、彼らがメジャーヒットを飛ばしたアルバムなんですがジャケからしてスゴイ。金につられて泳ぐ赤ちゃん(男の子。詳細をよく目視されたし。)一見可愛いんですけどね、異常でしょ!?

高校生の頃、既にオルタナティブにどっぷり浸かっていたですが、ニルヴァーナとの出会いによって私はグランジに傾いていったのですね。パンクのようでもあり、スラッシュメタルのようでもあり、フォークロックのようでもあり、ろけんろーでもあり、「グランジ」は元気のありあまった20歳そこそこのアタシのハートをわしづかみにしちゃったのでした。

カートが自殺したのはジュニアだった年。そのちょっと前にアタシの永遠のアイドルRiver Phoenixオーバードースで亡くなったばかりで、カート自殺の報を聞いたときは本当に凹んだなあ…。MTVでは後追い自殺をしないようにというメッセージが一週間くらい流れ続けてたのが印象的だったなー。

カートといえば実に美しい青い瞳の持ち主でした。MTV Unpluggedで最後に演奏した曲、「Where Did You Sleep Last Night」という曲だったんですけど、あの曲の最後で見た彼の瞳が今でも忘れられない。

In the pines, in the pines Where the sun don't ever shine I would shiver the whole night through

「決して太陽の輝くことのない針葉樹の森の中、僕は夜通し震えていることだろう」という部分。I would shiver、とここで声を詰まらせ、the whole、で声を飲み込んだ後、一瞬、カートが目を見開いたんですよ、その時の彼の瞳は異常なまでにまっすぐで真っ青で、あまりにもきれいで、何だかゾッとしたのをよく覚えてます。彼が亡くなった時、あのどうしようもなく感情を持て余した歌声も、震えが来るほどきれいだったあの青い瞳も、もうこの世のどこにもないんだと思うとものすごく悲しかった。そうそう、Unpluggedでカートが着ていたもふもふのモスグリーンのカーディガン、すごくかわいかったんだ。あのカーディガンも忘れられない。Unpluggedは地味なアルバムだけど、すごく好き。

ここしばらくニルヴァーナは聴いてなかったんですが、久しぶりに今夜「Never Mind」を引っ張り出してみました。やっぱりいいなあ…。好きだなあ…。Never Mindって「気にするな」と訳されることが多いかと思いますが、私的には「勝手にしろよ」もしくは「知ったこっちゃねぇよ」のいずれかだと解釈しています。でも肝心なのはアルバムのタイトルじゃなくて音楽!この疾走感はどうよ?溢れて止まらない激情の渦はどうよ?なんだかわかんないけど「ニルヴァーナが好き」って言うのはちょっと恥ずかしくって今までゆったことなかったんですが、カムアウトしてみました(笑)

グランジのメッカといえばシアトルだったのですが、私はNirvanaAlice in ChainsとSound Gardenが好きで、Perl Jamだけは嫌いだったのでした。なんでだろ??多分あれだな、エディ・ヴェダーが好きじゃなかったんだ。だってー。こわいんだもん。顔が。(音楽は!?)

そしてカートの死から3年後の97年、Jeff Buckleyも亡くなったのですねぇ。そして5年後の02年、Alice in ChainsのLayne Staleyも亡くなりました。(なんでみんな死んじゃったのよ!)今や私はリバーはもちろんカートやジェフが時を止めた年齢さえも追い越してしまって。カートのこと考えると今でもこうやっていろいろと感傷的になるんだよね。だから封印してたのになあ。ニルヴァーナ

I Love You, I Love You, I Love You. これがカートが遺した遺書の最後の言葉。切な過ぎる。