また惜しい人がひとり

あまりにもショックで言葉になりません。鈴置洋孝さんが亡くなったそうですね。思えば声に恋したのは鈴置さんが初めてだったように思います。涼やかで一本気があって、色気があって優しくて。かと思えば冴え冴えとして冷たくて硬くて、厳しくて。

私、ガンダムで最初に好きになったのはブライトだったのです。今ではシャアがナンバーワンなのですが、ブライトが大好きでした。当時、小学校2年生くらいだったでしょうか。「わあ、なんてかっこいい声なんだろう!」って思ったのでした。そういうわけで、私はものすごいブライト贔屓でアムロが嫌いだったのでした。(今はアムロも大好き)。

まだ56歳ではありませんか。去年、映画版Zガンダムの最終章を観て、改めて「やっぱりブライトが好きだなあ」って思ったのに。

ブライトはガンダム語り部なのに。ルウム戦役から一年戦争を経て後、カミーユが去り、アムロとシャアが逝き、それでもブライトは宇宙の人でありつづけた。それから何年も経って、いつしか彼の息子、ハサウェイまで逝ってしまったのに、どんなにたくさんの人がブライトの前からいなくなってしまっても、それでも彼は宇宙から去ろうとしなかったではないですか。彼はあの世界の歴史をずっと最前線で見つめてきた唯一の人だったのに。鈴置さんがいなくなってしまったら…。

昨日はあまりにもショックで何も書けませんでした。今朝のニュースで改めて訃報を眺めていたら、ものすごく悲しくて、なんだかとても無気力です。世の中に訃報は数あれど、こんなにショックを受けたのは久しぶりです。鈴置さんには「ありがとうございました」のひとことです。ご冥福をお祈りいたします。