表参道ヒルズにて

表参道ヒルズに行ってきた。同潤館アパートメントを訪ねてみた。取り壊された過去の建物が、見事に再生されていた。こういう建築物の保存方法というか再利用方法のことを「再生建物」というのだそうだ。http://media.excite.co.jp/ism/092/03architecture1.html

現状のままでの修復・再生は物理的、経済的に不可能であったが、建て替えが<都市の記憶>の喪失となってはならない。

とは表参道ヒルズのデザインを担当した安藤忠雄氏の言葉。既存の建築物に対する敬意と愛情の感じられるコメント。

三信ビル保存プロジェクトなるものがある。三井不動産が取り壊しを決定している三信ビルの解体をもうすこし先延ばしにできないか、他の形で残すことができないかという保存プロジェクトだ。保存上の安全問題とか、環境問題とか、いろいろ取り壊しの理由はあるのだろうけど、「再生建物」の可能性があればと思う。

再生建物といえば、思い出したのが市ヶ谷記念館。極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判が行われた陸軍士官学校の大講堂とか、三島由紀夫が割腹自決した場所とか、歴史に関わりのある場所をコンパクトにまとめた建物。明治以降の日本の歩みを語る上で、大変重要な文化財建築であることはもちろん、市ヶ谷記念館の素晴らしさは「過去の意匠を未来に遺した」というところにもある。

赤レンガの東京駅も同じ。ような条件で保存かつ利用されている成功例だと思う。赤レンガといえば横浜の赤レンガ倉庫もそうか。

三信ビルも全部の保存がムリだとしても、何らかの形で残せるといいなあと思う。

市ヶ谷台ツアー(見学可能):http://www.jda.go.jp/j/events/ichigaya/tour/index.html

ところで。当たり前のことなんですが、異性の友達って、案外いそうでいないもんですね。いそうでいない稀有な友達を持てて、私はシヤワセな人間だと思った日でした。ありがとう。