ダニエル・ウーDAY@シネマート六本木
イー・トンシン監督特集@シネマート六本木、本日は「ダニエル・ウーDAY」でした。
『ぼくの最後の恋人』『門徒』『ワン・ナイト・イン・モンコック 旺角黒夜』の3本。 朝から晩まで映画館に〜…。さすがに3本はキツい。4年くらい前に市川雷蔵祭で1日4本見た記憶がありますが、あれは作品1本の上映時間が80分前後と短かったですからねー。
さてさて…。まずは『ぼくの最後の恋人』。この作品、大好きー!この映画を「キライだ」という女子がもしいたら、ぜひ挙手してほしい。ワタクシの鉄拳で更正してさしあげましてよ?
ひこの魅力が満載というか女子のドリーム満載。相手役のミリアム・ヨンも超超超可愛いのです。登場人物全員が愛しい作品。2007年に一度感想を書いているので、詳しくはhttp://d.hatena.ne.jp/popon-x/20071124 でどうぞ。DVDも出てるのでおウチでニヤニヤしながら見るのも楽しい作品です。ひこの靴下ならクサくても洗ってあげますよ…。
『門徒』は日本未公開、公開未定、DVDスルーさえ未定という超お宝映画。ものすごくものすごくものすごーーーーーーーく良かった!気が遠くなりそうに良かった。
ひこが、今までのひこと全然違うの!言葉や身のこなし一つひとつに、ものすごく深みがあるの!大先輩であるアンディ・ラウのすばらしい演技にひっぱられたというのもあるんだろうけど、これはひこファン超必見の作品です!ひこファンじゃなくても見るべき。
麻薬売人のクァン(アンディ・ラウ)に弟子入りして潜入操作を行う警官ニック(ダニエル・ウー)。この二人の間に芽生えた師弟の絆と友情を中心に物語は進んでいきます。
「誰も信用するな」とニックに教え込むクァン。二人の間に本来はあるべくはずもない「信頼」が築かれていく様は圧巻。牧歌的にして麻薬製造畑である三角地帯の様子や
売り物の麻薬を製造する「キッチン」、ジャンキーたちの貧しい生活ぶりのリアルさは背筋が寒くなるようでした。
どの売人もそうでしょうが、本人はやらない。薬を打って身を持ち崩すのは決まって末端の人間。それがものすごくリアルで、怖い。
ニックは捜査のためとはいえ自分が世の中に麻薬を流していることに猛烈な罪悪感を感じている。だから近所に住む中毒者の女とその子どもを放っておけなかった。それが引き起こす悲劇もまたリアル。
信頼のない人間関係の悲劇、信頼したために崩れてしまった心の悲劇、信頼が裏切りに変わる絆の悲劇、どうにも救いようのない物語。そこに希望はまったくない。
『ワン・ナイト・イン・モンコック』のあのやるせないエンディングと同様に『門徒』もまた虚無感に満ちていました。
イー・トンシン監督すごい。私はこの作品が彼の最高傑作だと思います。なぜに劇場公開されないのか!すべきじゃないのか!これは広く上映されるべき作品だと思います。
ところで「プロテージ」って副題は誰がカタカナにしたの!?Protageは「プロテジェー」でしょう。英語では「プロテジェー」。語源のフランス語も同じ。http://eow.alc.co.jp/protege/UTF-8/?ref=sa
発音記号は明らかに「プロテジェー」。誰!?いい加減に「プロテージ」とか付けちゃったのは!気持ち悪くてしょうがないじゃないですか。というわけで私は原題どおり『門徒』と呼ぶことにします。
あ。そうそう。警官の制服姿のひこを見て『美少年の恋』を思い出しましたあれでひこに落ちた私(笑)
で、3本目の『ワン・ナイト・イン・モンコック 旺角黒夜』。香港の犯罪のほとんどがここで起こるという旺角(モンコック)。ここでおきる1夜の悲劇を描いた作品です。
最初から最後までひこが痛い目に遭わされる映画で「ぎゃああああ!ひこの美しい顔がああああ!」と始終叫びたくなるようなシーンが続出。
『僕の最後の恋人』でチャラいギャングのボス(お笑い担当)を演じていたアレックス・フォンは、こちらの作品ではひこ扮する殺し屋・フーを追う旺角の警官・ミウを演じ、非常に渋い演技を見せてくれます。 「えっ!?アレと同じ人!?」って思うほど
カッコイイんですよ、こっちの作品では。
いくつもの偶然が重なり合い、当初のシナリオが完全に狂わされた結末は悲しいを超えて虚しい。
「なぜ俺を追う!?」
殺し屋フーの問いに答える者は誰もなく、見る者の涙を誘います。息絶えようとしているフーの血まみれの手に触れられそうになり、一歩あとずさるミウ。でも、フーの問いに答えられなかったことへの償いのつもりか、彼に手をさしのべようとします。でも間に合わないのです。このシーンは本当に何度見ても良いです。DVDが出てるので未見の方はぜひ。
本日は「ダニエル・ウーDAY」だったのですが、実質的には「ダニエル・ウー&アレックス・フォンDAY」だったんじゃないですかね??
半日以上映画を見て、大変疲れましたが大変満喫いたしました。ヒコソを。ヒコソったらほんとにカッチョイー!そしてこんなに毛色の違う作品をガッシャガッシャ作れるイー・トンシン監督は本当にすごい。すごすぎ。次回作もひこが主演なんですよねー。ウフフ…。楽しみだなあ♪
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